山岳用テントの選び方

2016/5/17

キャンプ用とは異なる、山岳用テントの選び方についてご紹介します。

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大地の上で食事をし、満天の星空の下で眠る。山に包まれていることを五感で感じることができるテント泊。非日常感をたっぷり味わえるテント泊での登山ですが、山の上では天気が荒れることもしばしば。厳しい環境にも対応できるテントを選ぶことが大切です。
登山で使う山岳用テントを選ぶ場合、どのような点に着目すればよいのでしょうか。山岳用テントに求められる機能についてご紹介します。


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雨対策


テントには、単に野外で寝るための場所としてだけでなく、悪天候などから身を守る、安全な場所であることが求められます。春~秋の無雪期に活躍する3シーズンテントの場合、最も気になるのが雨対策。冬でも使える4シーズンテントの場合は積雪も大敵です。激しい雨・雪から身を守るために、テントには高い防水性が求められます。

モンベルのテントには、引き裂きに強く、軽いナイロンやポリエステルを使用しています。フロア部分とレインフライにはコーティングを施し、暴風雨にも十分に耐える、耐水圧1,500mm以上という高い防水性を持たせています。さらにフロア部分は生地が4辺とも地面から立ち上がったバスタブ構造を採用。四隅のわずかな縫製箇所にまでシームテープを施し、地面にできた水たまりなどからの浸水を防ぎます。バスタブ構造は、雨の少ないアメリカなどでは採用しているモデルは限られています。雨の多い日本ならではの進化といえるでしょう。


風対策


風速20mを超えるような強風が吹き荒れる冬の稜線などでは、風に対する強さ、「耐風性」が問われます。強風や多少の積雪にもたわまず、快適な居住空間を維持するために、ポールの数を増やしたり、生地の伸びを吸収し、常に最適なテンションを保つオートテンショニング・フライを採用しています。

結露対策


湿度の高い日本の気候を考えると通気性も欠かすことのできない機能です。出入り口についたメッシュ生地によって風通しの調節ができることはもちろん、キャノピー部分には必ず通気性のある生地を用い、テント内部の蒸れや結露を軽減します。

雪山対策(酸欠対策)


気温の低い時期に通気性の低いシングルウォールテントを使用した場合、結露した水分が気温の低下で凍りつき、キャノピー部分の通気性が失われることがあります。高い通気性を持つX-TREK マイティドームでも結露は起きます。万が一に備えて、ベンチレーター(換気口)は密閉できない構造になっています。4シーズンテントにおいても、酸欠への対策は重要です。寒さと強風をしのぐために、スノーフライ(雪山用フライ)は、周囲に広がったスノースカートに雪を盛って、風の吹き込みを遮断します。換気は生地の通気性と、ベンチレーター(換気口)だけが頼りです。不測の事態に備え、ステラリッジテントジュピタードームのベンチレーターには芯を入れ、目一杯絞っても密閉できないしくみを採用しています。

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雪山での設営に必要なオプション


雪上でテントを設営する場合、標準で付属するペグはほとんどの場合、役に立ちません。雪上でテントをしっかり固定するには、スノーアンカーが必要になります。使い方は簡単ですが、効率的に雪面を掘るにはスノーショベルもほしいところです。

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軽量・コンパクト性に優れたモンベルのテントのなかでも傑出しているのが「ステラリッジテント(1型:1.44㎏)」と「X-TREK マイティドーム(1型:1.34㎏)」です。軽くコンパクトなテントはなんといっても荷物を担いで移動する登山に最適。コンパクトさは、カヤックや自転車を使ったツーリングなど、荷物の搭載量が限られる場合にも大いに役立ちます。

ステラリッジテント

“世界トップクラスの軽量性を実現した4シーズン対応の山岳用テント”
全ての生地に30デニールという薄手のナイロンを使うことによって大幅な軽量化を実現しています(※6型を除く)。薄いながらもリップストップ生地を採用することによって十分な強度を保っています。ポールとポール受け金具、ペグや張り綱に至るまで全ての部品にこだわり、軽量性と強度を高いレベルで兼ね備えています。また、ポールをスリーブに通すだけでスリーブエンドに固定される、独自の「オートセットアップ・スリーブエンド」を開発。雨や、降雪時など、さまざまな環境下でも素早い設営が可能です。全4色から選べる別売のフライシートや豊富なオプションとの併用であらゆる状況に対応します。

【推奨用途】 積雪期登山 / 無雪期登山 / 自転車ツーリング / カヤックツーリング

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■ 別売フライシート(各商品全4色)

■ 本体・フライシートセットモデル

■ 積雪期用スノーフライ

ステラリッジテントの組み立て方動画


X-TREK マイティドーム

“防水透湿性素材を使用した、コンパクトなシングルウォールテント”
フライシートをなくすことで大幅な軽量化に成功したのが「X-TREK マイティドーム」です。キャノピー部分に、高い防水透湿性と通気性を併せ持ったゴアテックス素材「X-TREK ファブリクス」を採用したのです。フライシートをもたないシングルウォールテントは一般的に通気性が低く、内部が結露しやすいといわれますが、X-TREK ファブリクスの高い通気性はその問題を大幅に軽減しています。生地素材以外にも、ポールエンドを本体フロアのコーナーに近づけたテーパードデザインにより、居住空間はそのままにポールの全長を短く抑え、軽量性をさらに高めています。

【推奨用途】 無雪期登山 / 自転車ツーリング / カヤックツーリング

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教えて! テントの基本【フライシートのあるなし、どう違う?】


フライシートと本体が別々のダブルウォールテントと、フライシートのないシングルウォールテント。一般的に、ダブルウォールの利点は居住快適性。シングルウォールの利点は軽量性と設営の容易性。ご自身のスタイルに合うものを選びましょう。

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オプションアイテムで、テント内の快適性をさらにアップさせることができます。

オプショナルロフト ドーム用 … 天井部分のスペースを物置として有効に利用するためのメッシュ製ロフト。高さの調節が可能で、テント内の小物整理などに便利です。
テントマット ドーム1用 … 適度なクッション性を持ち、地面からの冷えを遮る中敷用マットです。
グラウンドシート ドーム1型 … 雨の日や濡れた地面での設営時に、テントの底からの浸水や汚れを防ぎます。

快適性を高めるおすすめアイテム



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難燃性


テントのサイズは必然性があってのものですが、そのコンパクトな空間が危険を招く場合もあります。例えば火事。テント内や前室での火の使用は厳禁です。衣類やテントに燃え移ったり、一酸化炭素中毒になる危険性があるからです。冬山でのテントの焼失は、死に直結します。モンベルのほとんどのテントには、難燃加工が施されています(X-TREK マイティドームとステラリッジテントのフロア・フライシートを除く)。コーティングに配合した難燃性素材によって燃焼が妨げられ、自己消火します。

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ジッパー


ジッパーのスライダー(開閉のための可動部)は、ロック機能付きスライダーとノンロックスライダーに大別されます。ロック機能付きスライダーは、引手をつまんで動かさないと開閉できないジッパーのことを指し、ノンロックスライダーは引手を動かさなくても、ジッパーを左右に引っ張ればスライダーが動いて開くジッパーのことを指します。モンベルのステラリッジテントやクロノスドームでは、フライシートにノンロックスライダーを採用しています。これは、いざという時に「すぐに脱出できる」ことを想定しているためです。しかしながら、通常の使用では風をはらんで開いてしまうというデメリットもあるため、ジッパーをフライシートの生地よりも長くし、左右に開く力が、ジッパーの先端にかからないように工夫しています。他社のテントでは、ロック機能付きスライダーを採用することでジッパーの長さを生地に揃えて、強風でも開かないようにしているものもあります。長いノンロックスライダーを採用することは、軽量化にこだわるモンベルにとっては矛盾する選択のようにも思えますが、雪崩発生などの緊急時を想定し、より簡単に開くことを優先しているのです。

4シーズンテントに採用されている、ビスロンジッパーにも理由があります。一般的に4シーズンテントに採用されているのは、エレメント(ジッパー左右の凹凸)がコイル状につながったコイルジッパー。軽く加工しやすく安価である反面、凍ると動かしにくくなる場合があります。一方ビスロンジッパーは独立したエレメントがひとつひとつテープについている構造。コイルジッパーに比べ、凍結時でも動かしやすく、強度的に優れています。ここでも、軽量性や加工の難しさ以上に、安全性を重視しています。

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長くお使いいただくために

過酷な環境下で本来の性能を発揮し、快適な居住空間を保つためにはメンテナンスが重要です。汚れや濡れはカビの発生やコーティングの劣化の原因となります。長くお使いいただくために、正しいお手入れを行ってください。

メンテナンス用品




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