屋久島は世界に例を見ないほど特異な生態系や自然景観を有しています。その屋久島の自然を守り、安全に登山を楽しむためにどのような配慮が求められるのでしょうか。
低体温症
屋久島の年間平均気温は平地部で約20℃、山頂部で約8℃。標高1,300m程度の縄文杉付近でも麓との気温差は10℃近くあります。防寒装備が不十分だと体温を奪われ、運動能力や判断力の低下・衰弱など危険な状態に陥ります。急な天候の変化や標高による気温差に備え、薄手のダウンジャケットやフリースを携行しておきましょう。
大雨・スコール
山の気象は急変しやすく、天候が悪化すると川の増水による登山道の遮断や落雷に見舞われることもあります。事前に必ず天気予報を確認して登山計画を立て、大雨が予想される場合には山行を中止することも検討しましょう。山行中に急な大雨に見舞われた場合は、最寄りの山小屋へ速やかに避難するなど臨機応変に行動しましょう。
転滑落
滑りやすい木道や崩れやすく不安定な「浮き石」での転倒、長い下りでの膝への負担によるトラブルに注意しましょう。足首までしっかりと覆い支えてくれるトレッキングシューズを履き、ポールを使用して足腰への負担を軽減させましょう。
登山計画
安全に登山を楽しむための準備として最も大切なことは、主体的に取り組む姿勢です。たとえグループ登山であったとしても他人任せにせず、目的の登山コースの情報をできるだけ集めて、登山計画に無理がないかどうか確認しましょう。登山の行程を明確にイメージできると、ペース配分ができるのでバテの防止につながり、トラブル時にも冷静に対処することができます。
◆最新の屋久島山岳情報の入手先:屋久島観光協会ウエブサイト
登山届
登山の際には必ず登山届を提出してください。万一遭難した場合でも、登山届を提出していると、捜索がスムーズに行われ救助される確率が高まります。
●登山届のダウンロード先:鹿児島県警察ウェブサイト
●登山届入手先及び提出先
屋久島警察署 住所:屋久島町安房304-42、TEL:0997-46-2110
屋久島町役場宮之浦支所 住所:屋久島町宮之浦1593、TEL:0997-42-0100
屋久島町役場尾之間支所 住所:屋久島町尾之間157、TEL:0997-47-2111
その他 島内の交番/空港/港/各観光案内所/船内/屋久島世界遺産センター/屋久島観光環境文化村センター/淀川登山口/荒川三叉路/荒川登山口/白谷雲水峡登山口/民宿など宿泊施設
出典:屋久島山岳部利用対策協議会『登山者のためのYAKUSHIMAマナーガイド』より
体調管理
日常生活の疲れがたまっていたり、睡眠不足や体調不良の状態で山に入ると、厳しい自然環境下では深刻なトラブルに発展しかねません。山行を楽しむためにも、登山前の体調管理を徹底し、万全の状態で臨みましょう。
登山マナーの把握
何千何万年の時を経て形作られた自然は、一度壊してしまうと簡単には修復できません。登山でのマナーを守り、自然環境に配慮しながら安全に登山を楽しみましょう。
◎動植物を大切に!
◎ゴミは持ち帰る!
◎焚き火はやめて!
◎山に動物を連れて行かないで!
◎サルやシカに餌を与えない!
◎宿泊は避難小屋で!(原則的にキャンプは禁止)
出典:屋久島山岳部利用対策協議会『登山者のためのYAKUSHIMAマナーガイド』より